7 読書バー
  [初出] 2003.05.18  [最終更新]  [平均面白度] 4.5  [投票数] 2  [コメント数] 0
前項の読書リゾートの夢想をPOT出版の日高さんにしたところ、彼は、宿泊型の読書リゾートもさることながら静かに本が読める「読書バー」があったほうがうれしい、と。

バーは知らないが、「飲み屋」クラスでいいのなら、阿佐ケ谷には何軒もあるよ。カウンターで一人静かに本を読んでいる人をよく見かけるし、店側もなにも言わないよ。別に読書酒場とはうたってはないが。

そう答えると、彼は「いいなあ阿佐ケ谷。引っ越そうかしら」と。

しかし別にこれは阿佐ケ谷界隈には限らないようだ。つい先日、新宿のちょっとだけバーっぽい居酒屋みたいな店で友人と飲んでいたら、隣に座った30そこそこの女性のひとり客がハードカバーの何やらむつかしげな本をむさぼり読んでいた。

彼女は店員をよぶと、メニューを見ながら「キンキの煮付けと鯖の味噌煮のどちらが小さいですか」と質問した。店員が答えかねていると「あまり大きいと食べられないかもしれないから」。店員はどちらも同程度のボリュームであることを強調する。ばかだなあ。どちらでもお好みの方を。小さめのものをお持ちしますから。などと答えればいいのにさ、と感じて横目で見たことが、隣客が読書をしていることを知ったきっかけになった。

気になりますよ。すこぶる地味な感じの若い女性がカウンターで日本酒を飲みながら煮魚(けっきょく彼女はキンキを選んだのだが)をつまみ、菊判のハードカバー(ってトコがミソでしょ)を読んでいる姿は。声も掛けなかったし、のぞき込むのも失礼なので、それが何の本であるのかは定かではなかったが。

われわれはそれから1時間ほどして店を出た。もしかしたら彼女はだれかとこの店で待ち合わせをしているのかとも思ったが、この1時間の間にはだれも現れなかった。

読書バーはどこにでもあるのかもしれない。
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