21 市町村合併妄案
  [初出] 2003.07.19  [最終更新]  [平均面白度] 4.29  [投票数] 7  [コメント数] 1
昨夜、前著の担当編集だった面代真樹さんとわが家で2人宴会を楽しんだ。どんな流れだったか、話しは市町村大合併に関する諸感想ということになった。

周知のとおり、現在平成の市町村大合併プロジェクトが進行中である。3,000余ある市町村を最終的には1,000ほどにまとめてしまおう、というもの。

なんでこんなことをしているかという理由については、総務省は以下の5つの理由をあげている。
「地方分権の推進」
「高齢化への対応」
「多様化する住民ニーズへの対応」
「生活圏の広域化への対応」
「効率性の向上」

要するに地方分権への流れの中で、財政基盤が弱くてあまりに小規模な自治体は困るよ、ということだろう。

東京に住んでいると、まるっきりわからないが、地方では実に切実な問題になっているようだ。あちこちですったもんだの大騒ぎがおこっている。そんな各地の問題のさまざまを面代さんから聞いているうちに、ずいぶん前に思いついたバカプランを思い出したので、それを開陳。

酔っぱらっていたからかもしれないが、このバカプランが面代氏にやけに大受け。あまりにおだてるものだから、調子にのって、ここでも書いておくことにする。言っておくけど、単に思いつきだけのバカネタでっせ。

市町村合併って、困難な作業だろうなということは、あらためて考えるまでもなくあきらかだ。

どこと一緒になるかというすりあわせ作業は、じつに難しいだろう。どこだって「条件のいい」市町村と一緒になりたいだろうから、もともと「条件の悪い」市町村は大変だろうね。お願いモードでより「条件のよい」市町村にすり寄っていかなきゃならない。

だいたい国でも町でも近所どうしほど仲が悪いものだから、○町とだけは一緒になりたくない、なんていう住民も多いだろうから、それを調整するのも一苦労。

そんなに苦労して大合併を行っても、はたして実際的な効果はどこまであるのだろうか。日本は非常に地方格差の大きい国である。人口の集中もいちじるしい。日本の現在抱える問題の中でも最大のもののひとつが過疎と過密なのだ。過疎の地域は隣接する市町村でも同じように過疎に悩んでいることの方がおおいだろう。過疎の村と過密の市が隣あわせというようなことは、まず考えにくい。

過疎の自治体というのは財政基盤が弱い(地方交付税がなくなっちゃえば、特に)わけだから、弱いどうしが大連合をしたって、できあがったものは弱いままである。

政治家の一部には、今後は国土の均衡ある発展は実質上はムリだ。各市町村はそれぞれ競争して自立の道をさぐっていくべきだ、と言っているらしい。それはそれで正論に聞こえる。

しかし、競争しろってったって、もともとむちゃな格差があるものの間での競争って、ハナっからハンディがありすぎる。

それこれの事情をふまえてのワタシの提案。題して「国土面積人口均等化法」。

自治体は他の自治体とチームを組んで、ひとつの自治体連合を形成するんだが、そこには大原則がある。面積と人口を均等にするのだ。

日本の人口は1億2,700万人。一方国土面積は37万7,000平方km。これを均等に分割する。総務省のように1,000なんてケチなことは言わない。200。200に均等割するのだ。

割り算をすれば1つの自治体連合は人口63万5,000人。面積1,800平方kmとなる。

人口が63万、面積が1800平方キロの自治体連合が200できるわけだ。面積はけっこう広いよ。香川県全部とだいたいおんなじくらいだから。

人口も面積もどこも同じなんだから、競争しろといわれても、ハンディは少ない。スタートラインはほぼ同じになるじゃないか。

各自治体は面積と人口の条件を揃えるために、全国から適当な自治体を探し出して、ネゴシエートするわけ。たとえばワタシの住む杉並区は人口が52万もいるくせに面積は34平方キロしかない。あと10万人で1700平方キロちょいの自治体(とうぜん複数になる)を探し出さなければならない。

地理的に連続していれば言うことないが、そううまくはいかないだろうから、全国にトビトビの連合になるだろう。それでもいいんだ。運営上の事務コストがかかるかもしれないが、ITでなんとかカバーする。たとえば自治体連合議会はテレビ会議にする、とか。

地産地消運動だって、農村地帯と大都会がいっしょになる場合が多いわけだから、もっとはずみがつくだろうし、住民サービスの格差もなくなる。都市部は遠くの過疎部を抱え込まなければならなくなるが、都市に生きるということは、水にしても空気にしても、過疎部の恩恵があってのことなのだから、それはちゃんと面倒を見るのはあたりまえだ。自治体がバーチャルな「ふるさと」をもつってことだね。

この方式のいいところは、自治体連合同士の格差があまりなくなるということだろう。とうぜん、地方交付金なんてものはなくなって、自治体連合内でお金はすべてやりくりする。

自治体連合の議会は単純に人口割りではなく、各自治体から5人ずつというぐあいに、自治体枠があったほうがいいだろう。そうすると過疎地域がことさら取り残されるということもなくなる。

しかし、最大のメリットは、じつは「弱いとされていた自治体がキーを握ることになる」ということだ。都市部は人口密度が高い。そうした都市部が自治体連合を形成するためには、「法」によって、どうしても、広くて人口密度の低い自治体と組まなければならない。つまり過疎の地域がどうしても必要になる。現在進行している町村合併では、弱いとされている立場が、一転して武器になるのだ。広くって人口がまばらな自治体は、それが大きな交渉材料になってしまうんだね。

「えーっと、江戸川区さんからもオファがあるんですよね。もうちょっとイロがつきませんかね、図書館を建ててくれるとか」といって都市部と渡り合えばいいのだ。

これがワタシの考えた市町村合併の新アイディアだ。

ちなみにこの構想にもとづいて、杉並区の場合を考えてみる。

たとえば、このような組み合わせが考えられる。
東京都杉並区(人口528000/面積34.02)
岩手県大船渡市(44,356/323.19)
福井県大野市(38,440/539.92)
岐阜県河辺町(10,507/301.06)
秋田県鳥海町(6,596/322.53)
岐阜県清見村(2,659/359.16)

これなら6自治体の連合になる。漁港あり、スキー場あり、温泉なりとバラエティにとんだ組み合わせ。これで人口630,558人面積1879.88平方キロと、ほぼズバリ賞だ。

こんなのもアリかな
東京都杉並区(人口528000/面積34.02)
新潟県十日町市(42,638/212.77)
千葉県八日市場市(32,693/80.75)
新潟県下田村(11,247/311)
山形県戸沢村(6,253/261.25)
長野県南木曽町(5,572/215.96)
茨城県御前山村(4,358/44.39)
長野県朝日村(2,124/187.37)
埼玉県王滝村(1,197/310.86)
石川県白峰村(1,173/221.88)

こちらは構成メンバーが多く10自治体になる。地域的にはできるだけコンパクトにまとめてみた。人口635255人、面積1880.25平方キロとちょっとだけオーバー。

自治体連合職員はとうぜんこれらの地域に転勤が生じる。このことにより人的交流もなされ、退職後にはたとえば戸沢村で余生を送る杉並区民もでてきたりするだろう。

もちろん政令指定都市の区はひとつの自治体単位に格上げし、熊本市なんかも政令指定都市になってもらい区を作る。練馬区など3区は分区しないとひとつだけで人口枠を越えてしまう。あとは各自治体がかってに自分たちで組み合わせを考える。

イイ方法だと思うんだけどなあ。
市町村の面積と人口についてはGlinGlinさんの「都道府県市区町村 データと雑学で遊ぼう」を参照させていただきました。
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いただいたコメント

生涯一変態 さんによるコメント
これ、むちゃむちゃおもろいです。実現すればいいと思う(本気)。[2004.04.02  #21]

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