1 好奇心のスイッチがパチンと入った
  [初出] 2005.02.27  [最終更新]  [平均面白度] 4.3  [投票数] 10  [コメント数] 2
先日、デジタル/シゴト/技術で「理科年表は必携だ」という記事を書いた。「理科年表」はお勧めでっせという記事であったのだが、例として動物の寿命の表があることを紹介した。2005年版でいうと820ページに掲載されている。

なお、この版からあらたに「環境部」という章が追加された。お買い得である。このところ買い替えていない人は、今年はチャンスだ。書店へ急ごう。いやここからアマゾンで購入していただけると、貴兄のみならずぼくも幸せになれる。

さて、この表にはウシ30年からスナヤツメ7年まで51種類の脊椎動物の「記録された最長寿命」が載っている。この表の中での最高記録はチョウザメの152年であり、最低記録はタツノオトシゴ4年7ヶ月だ。限られた種数のエントリーであるが、チョウザメがトップであるってことには実に驚いた。2位はウナギ88年ですからね。米寿の鰻。

この表を見ているうちに好奇心のスイッチがパチンと入ってしまった。ホントにチョウザメがトップなのか。この表に載っていない動物ではどうなっているのか。そもそも、この表の出典はどのようなものなのか。

この表の欄外にはCarey, J.R Judge, D.S : Longevity Records: Life Spans of Mammals, Birds, Amphibians, Reptiles and Fish Odense Univ,Press 2000より改変と書いてある。この書き方からすると出版物であるようだ。さっそく紀伊国屋で検索してみると3000円くらいで入手できることがわかった。思わず買いそうになったが、6週間かかるというので踏みとどまった。後で考えると、この逡巡はラッキーだった。なぜなら、この本の全文がそっくりそのまま(というより、より利便性が高いかたちで)Web上に存在していたからだ。つまり、タダで見放題なのであったのだ。

Longevity Records: Life Spans of Mammals, Birds, Amphibians, Reptiles, and Fish

この本の画像をクリックする。

驚きました。

中身をのぞいてみると、無慮数千件のレコードが掲載されている。哺乳類だけでも1623の「寿命」が載っている。同じ動物が複数回掲載されていることもあるので種数はもう少し減るかもしれないが、1000近くはあるだろう。だいいち、1000種類の哺乳類の名前なんか知らない。網羅されちゃっているといってもいいだろう。これを読むことで、動物の寿命のレコードの全体像が見えてくるに違いない。

おもしろいやんか、と、ますます好奇心は加熱したのであります。

しかし、動物の長寿タイトルホルダーについてあげつらうことに、若干のためらいも感じる。まずは「寿命」って何よという疑問。どこからどこまでをはかるのか。たとえば卵で生まれる動物は卵の期間を入れるのか。

脊椎動物ではないのだが、前に書いたクマムシなどは、環境が悪化すると乾眠する。200年以上も乾眠していたという報告もある。その期間、ほとんど代謝をしていない。この期間は寿命に参入するのかどうか。これを除外するとなると、冬眠一般はどうするかという問題が浮上してくる。カエルは冬眠するけど、これはどうなの、クマやヤマネはどうするのと。

細胞分裂で増えているような単細胞生物の場合、個体の生の開始時点はその種が地球上で誕生した時点ということになるのか。

などなど。

それにギネス的最高記録といっても、ほぼ全員の生死日付がわかっているのは、ヒト、それもある程度以上整備された国家の国民以外にはない。ゾウの記録といっても、他にとてつもない長老がどっかにいる可能性もある。

動物は一般に飼育下にあるほうが長生きすると考えられるが、そうした特殊な事例だけを集めてもしかたがないとも言えるし、飼育下でもって、サイよりカバの方が長生きだといっても、それはサイの市域技術が洗練されていないということを示しているだけなのかもしれない。

いろいろ問題はあるわけだ。

でもそんなことはひとまず置く。

そういうめんどくさいことを考え始めると、ウナギは88年も生きるんだとか、マグロはどれくらい生きるだろうという楽しい疑問や驚きが薄いものになってしまう。

さっき書いたように、ここで記録された動物の長寿記録はさまざまだ。しかしゾウの時間ネズミの時間によると、動物の寿命は体長に比例するとかんがえていいとのことだった。もしこの法則が完全になりたつのなら、動物の寿命調べは大きさを測るだけで完了してしまう。たしかにカラダの大きな動物ほど長く生きるのだが、完全にその序列に従っているわけではないようだ。だいいち、チョウザメはゾウよりかなりちいさい。

どないなっとんねん。

ともあれ長寿ランキングがどのようになっているかを見ていくことにする。
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いただいたコメント

あや さんによるコメント
面白かったです!

私も最長寿の動物ってなんだろう?と思ってここにたどり着いたのですが、興味深い文章と役立つリンクがあって、よりいっそう探究心が深まりました。

ありがとうございました^^[2006.12.03  #397]

アリス さんによるコメント
最長寿の動物について、色々調べて居ましたらこのサイトを見つけました。他のサイトで見たのですがゾウガメが175歳で1番の長寿らしいですよ♪[2006.05.15  #294]

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