11 食え食え団綱領(?)
  [初出] 2003.08.08  [最終更新]  [平均面白度] 3.5  [投票数] 4  [コメント数] 1
前回はちょっと大風呂敷・大上段であったが、コメ食え食え団は、正直にいうと、もっと単純である。もっとコメを食おう。だってうまいじゃないか。という「再発見」が動機になっている。

もっとコメを食おうと決意し、実行してみるとすぐにわかるのだが、コメを「これ以上」食べようとすると、どうしても日本型の食生活に回帰せざるを得ない。ごはんでおなかがいっぱいになるから、肉などの油脂分はそんなにはいらないやということになる。塩味があうものだから、漬物は必備になるし、みそ汁はごはんとの相性が非常に高い。

ごはん+みそ汁+漬物の基本セットに、比較的少量のおかずという組み合わせにならざるを得ないのである。

しかしね、実のところを言えば、そういう食生活を続けていると、少し飽きてくるんだよね。正直に言えば。

時にやはりヤキニクを食いたくなるし、ラーメンもいいなってことになる。

そこで出てくる発想が「食糧防衛」なんですね。ラーメンに走りたくなるキモチにブレーキをかける倫理ってんですかね、やせ我慢てんですかね。

どうせ、美食なんてもんはウタカタのもので、数時間もたてば、あとはこなれて排出されるだけのセツナ的な喜びに過ぎないんで、そういうものに妙にリキむのは、どうも美しくないしね。ストイックに、という思いと食糧防衛というのはつながるのですね。ま、そうはいってもたまにはラーメンも食うのですが。

それにコメといえば、やっぱり思い出すのは94年の、例の「平成の米騒動」。あれは非常にカッコ悪いことであった。ほんと世界にハジをさらしたし、タイの人たちには申し訳のないことだった。あれはもう繰り返しちゃいかんでしょ。

その線がひとつ。そしてもうひとつの線が、先にも述べた「産直」。

ずーっと「商品としての米」には不満と不審を抱き続けてきたのです。ササニシキと書いてあってもずいぶんまずいのもあるし、ディスカウントショップに南魚沼米が安いねだんで山積みしてあったりするし、なんか専門家は知ったような顔で「ブレンドしなくちゃおいしくないんです」なんて言うんだけど、だったらラベルに「ブレンド!」と大書すればいいのにしない(からそれは真っ赤なウソだということを露呈している)し。

たとえばね。覚えておられるだろうか、しばらく前の「オー・ベントー」騒動。詳細な点まで記憶しているわけではないが、概略は以下の通り(間違っていたら教えてください)。

JR東日本が駅で売る弁当として、有機米を使ったちょっとこぶりの弁当を企画した。ごはんもおかずも全部アメリカで調理して完成品を冷凍して持ってくるという計画。それに対して全農だかなんだかが、「公共機関としてそのようなことをするのはけしからん」といって、政治家も動かして圧力をかけた(デモもしたはりました)。JR側は「だってそれだけの量の有機米をコンスタントに供給する能力が国内にはないでしょ」と反論。「わしら、株式会社やし」とも。

オー・ベントーはちゃんと無事販売していますよ、現在。先日も新幹線の中で食べましたが、おいしゅうございました。

ともあれ、こういうふうな発想そのものがヤだったんですね。アホカと思うし、恥ずかしないんかな、とも思う。

農協が米をあつめ、硬直的な流通ルートにのって流れてくる。95年以降は食管が廃止になって、少しはマシになったものの、基本はそういうことですわな。こういうのがイヤだった。

なんかだまされているみたいで。

産直はその点いいです。もし万一、だまされていたとしても、それは「この人」と決めたこっちの短慮ということだし、納得できます。

だいいち、不思議なほど、おいしいし。そこからしてもブレンドしたらうまくなる説は腑に落ちない。

しかし、生産者から直接米を買うためには、その前にちゃんと考えておかなければならないことがある。

その生産者は消費者に直接生産物を売る、ということだ。これには大きなリスクがある。年の途中で契約を解除されると、その分、米は余ってしまう。かといって、そういう「目減り」分を考慮にいれて割り増しした注文を受け付けると、こんどは消費者の批判に直面する。

だからこそ、協同組合が必要だったのだ。

協同組合みたいになって、なんだかわけがわからんものを買うのがイヤだとワガママを言うのなら、直接消費者に売るぞと決めた生産者が持っている覚悟と同じような覚悟が、ぼくたちにもいると思うのですね。

それは自分でリスクを引き受けること。たとえば途中解約はしないと決めること。

ほら、こういう風に考えてくると、どっかコメ食え食え「団」という感じになってくるでしょ。
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いただいたコメント

中崎 恵里子 さんによるコメント
大学生です、はじめまして。
今卒論で米産直について調べていて、記事を拝見しました。
生産者の方には話を聞いていたのですが、消費者の意見を目にしたのは初めてで、面白いなぁと感じました。
 記事を読んでいて、正直な方だなぁというのが感想です。
米産直についての1つ目の記事「後2杯食べれば・・・」に行き着くための、数値や、分析は私の知りたいことでしたので、あなたの記事を読むことができて大興奮です!
 できましたら参考にしたいのですが、お許しくださいますか?
よければ返信ください。[2004.12.12  #137]

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