4 工事の始まり
  [初出] 03.04.17  [最終更新]  [平均面白度] 4  [投票数] 1  [コメント数] 0
陳腐な物言いになるが「明けない夜はない」。いつまでも終わりそうにもなかった仕事部屋からの荷物の退避は、工事の前日にはちゃんと完了した。というより、期日が来てしまったので、それにあわせて「終わらせた」というのが実情に近いだろう。

それまでは残すもの・捨てるものの仕分けもしていたし、後々使いやすいように、分類もしていたのだが、最後の数時間はとりあえず残ったものを段ボールに端から詰め込み、部屋から出すというやり口でやっつけた。

この非効率なぼくの作業に対して、翌朝からの大工さん達の動作はまことにキビキビしたものでキモチがいい。畳がどんどんとりはずされ、根太が組み替えられ、下張りが張られ、そのうえに床材がセットされていく。みるみるうちに部屋の様子が変わっていく。

その工務店の特質なのか、それともごく近所だからのことなのか、よくわからないが、作業は始めの計画から微妙にずれる形で進む。個々の問題につき、その場で相談を持ちかけられ、よりよい提案を示されるからだ。たとえば始めは押し入れの中の最上部の棚のようなところを取るという計画だったが、これは残しておいた方がいいのではなかろうか、なぜなら……、とこっちの立場にたっての提案はとっても助かる。言われてみるとその通りだし。

こうした会話がスムーズに成り立つのは、いままでにもこの工務店とは何度ものつきあいがあるということも背景にはあるだろう。つまり信頼しているってこと。はじめてのつきあいなら、なんか言って来られた時には警戒心とか猜疑心とかも湧くだろう。ウラを考えたりするかもしれない。そんなことをしなくていいのが、心理的にも非常にラク。こっちがそうしたキモチでいるということは、おそらく相手にも伝わるだろうから、先方もいろいろと言い出しやすくなるんじゃないかな。

想像力が欠如しているのかもしれない。今までは苦しいばっかりだったが、着々と工事が進んでいるのを見ていると、だんだん楽しみや希望がわいてくる。こりゃいいやという気になってくる。

まだ、リンパの腫れは引かないのだが。
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