2 深夜ラボ改装計画
  [初出] 03.04.13  [最終更新]  [平均面白度] 5  [投票数] 1  [コメント数] 0
ツマはぼくの仕事部屋(それをイキがって「深夜ラボ」と呼称しているのは既述の通り)および、ぼくの仕事スタイルに対し、大きな不満を抱き続けてきた。

不満のポイントは3つある。ひとつは畳が古くなってきたので畳替えを行いたいが、それができないということ。本箱が何台も畳の上に乗っかっているからである。本箱を動かすのは大変だし、よしんば動かしえたとしても、新しい畳の上に重い本箱が何台ものっかるのは忍びない。

ふたつめは、部屋が散らかっている、ということ。たしかに、ぼくの目から見ても乱雑の極みだ。彼女の考えでは、ゆか坐であるがゆえに散らかる、と言うのである。ぼくは違う考えを持っている。もともとぼくの整理能力に致命的な欠陥があるだけのことだ。以前、机で仕事をしていたときだって、部屋は散らかっていたじゃないか。

みっつめは、ぼくが最近、肩が凝った腰が痛い目がツラいとこぼすことである。これも彼女の思想では、ゆか坐に原因がある、と見ているのだ。ちゃんとした椅子で仕事をすれば、それらは軽減されるだろうと言う。ツマもまた悪しき近代主義の間違った常識に洗脳されているのである。ぼくの考えは違う。こうした体調の不良の原因ははっきりしている。経年変化でガタがきているだけなのだ。同世代の男たちは、みんなこんなもんさ。

こうした対立をはらんだまま、ここ数年はなんとかすんでいたのだが、ここのところ、一気に情勢は急展開した。

ぼくの方の問題点は、本が増えてきても、もう本箱を置くスペースがないということと、地震がくれば、確実に本箱に押しつぶされて死ぬな、という不安があった。本箱を増やすためには、押し入れが邪魔になる。なんとか押し入れを潰してしまえないか、と画策していた。地震の方はなかばあきらめモード。生存に関する未来への不安は喫煙者は口にだしてはならないという時代になっちゃったからな。

わが家の一部を改装することになった。その時、「ついで」に仕事部屋を床張りにする工事の見積もりをとったところ、意外に安かったので、急にその方向へなだれこんでしまった。ツマとしては積年の3つの懸念不満が一気に解決するわけだから、「安いもんだ」と思ったのであろう。工事は押し入れをつぶしちゃうという部分も含んでいる(ここにぼくは目がくらんだ)。

工務店は「出入りの」なんていえば生意気だけど、ずっといろいろな小工事の面倒を見てもらっている棟梁のとこである。安くあげてもらうための作戦として、「いつでもおたくの都合のいい時期でいいです」という申し入れもしれいた。

その工事が、いきなり来週ということになってしまったのである。

このことが、ぼくのリンパ腺腫れの要因であると思うのだ。つまり、この工事を前に、ぼくはストレスを抱えているのである。
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