1 タイの象楽団
  [初出] 02.09.20  [最終更新]  [平均面白度] 3.7  [投票数] 10  [コメント数] 1
先日、テレビのワイドショーで、とてつもないバンドの映像を見てしまった。ゾウの楽団だ。7、8頭のゾウが並んで実に楽しげに器楽演奏を行っている。

説明によると、ゾウたちは、一連の行動を調教されたわけではなく、スタートの合図を与えられただけで即興的に演奏しているという。ま、テレビの言っていることだからウソかもしれんと思いつつも、引き込まれて見てしまう。

一列に並んだゾウたちが奏でる音楽は、現代音楽的でもあり、また、アジア民俗音楽的でもある。リズムや調性が人間離れしている部分もある(あたりまえか)。演奏している楽器はマリンバや木琴、ラッパ状のもの、アルミ板をぶら下げた打楽器、ハモニカ等々、いろいろだ。

もしゾウたちが、この音の次はこれ、その次は……、というふうに一連の行動を反復訓練で教え込まれているだけだとしたら、こうした不可思議音楽はでてきそうにない。もっと当たり前の旋律になるだろう。やっぱ、これはゾウが「自分の音楽」を奏でているんじゃなかろうか。

バンドメンバーおのおのにも個性がある。一頭のメスは天才として紹介されていた。彼女は実に流麗にマリンバを演奏する。ちゃんとメロディーになっている。ときどきオクターブを越えて「変調」する。

音楽的センスのないやつもいる。アルミの板をぶらさげただけの「打楽器」に対し、鼻で持ったばちを力任せにぶんなぐり続けているだけ(に見える)のゾウだ。

このたび、このバンドは2枚目のCDをリリースしたそうだ。1枚目は全世界でかなり売れたとの由。

もっと詳しく知りたいぞ。

Webをあさって、CDの発売元のサイトを見つけた。Mulatta Records: Thai Elephant Orchestra。このページによると、このCDはタイのランパーン象保護センターのリチャード・ライアと、演奏者・作曲家のデイブ・ソルジャー(いろんな音楽をやってるひとみたい)によって率いられ、象達の演奏をそのまま(技術者は雑音を除去しただけ)収録したものであるらしい。

このサイトにはMP3のサンプルも2曲のっかっている。ぜひ聴いてみていただきたい。なかなかおもろいから。リンクもいろいろついているけど、ほとんどがリンク切れなのが惜しい。スウェーデンのニュースサイトでは、彼の地の言葉でニュースが読み上げられるのだが、後ろになっているのが彼らの演奏なのではないか、と思う。だとしたら1枚目のCD(サンプルMP3)より音楽的にずっと進化している。モーツアルトのメロディーも入っているし、演奏者相互のハーモニーもきれいにとれている。人間との合奏なのかもしれない。ま、逆につまんないとも言えるが。

音楽指向のゾウがいるのと同様、絵画が好きなゾウもいる。

このサイトからリンクしているWelcome To Art By Elephantsでは7頭のゾウの描いた抽象画が販売されている。7頭それぞれ絵画に個性がある。むちゃくちゃやっているわけではないようだ。色使いも美しい。値段は125英ポンド(24,000円弱)、サイズは75×55cm、など。買うか、と言われれば、正直、買う気はないが、Web上でなら、十分見る価値はある。

この絵を描いているゾウも件の保護センターのゾウで、指導しているのはやっぱりリチャード・ライアだ。ページの説明によると、ゾウたちは別に絵画を描くことを強制されているわけではない。彼らが気が向いた時に描いているらしい。「すべてのゾウが絵を描くことを好むわけではないし、すべてのゾウがいつでも描くというわけでもない」。

なおもこのページは主張する。「ゾウによって描かれた絵は芸術といえるの、と時々質問されることがあります。しかし、芸術とは何なのでしょうか。パリのポンピドーセンターにAdd(引用者注:ゾウの名。いちばん上手。オス4歳)の作品のような絵が展示されています。実際にはこの絵は70年代に死亡した有名な抽象画家ジャン・ド・ビュッフェによって描かれたものです。仏教徒は輪廻転生を信じています。もしかしたら、Addはビュッフェの生まれ変わりかもしれないのです。」

おいおい。
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いただいたコメント

サメ・石沢 さんによるコメント
とっても参考になりました。

ゾウって、みかけよりいろんな才能をもつ

ただものではない事を確認できました。



私の「サメ・石沢のPAGE」でも紹介させて

もらいました。

[2005.02.20  #156]

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