11 コンソール延長器
  [初出] 03.04.03  [最終更新]  [平均面白度] 5  [投票数] 3  [コメント数] 1
17インチモニタにLinuxのデスクトップが映し出されている。ぼくはこの画面にむかって操作をしながら、なにか不思議な感覚を感じている。妙な心持ちだ。

前に書いたように、ウチのDellのサーバは非常にウルサイ。音に弱いぼくは、常時作業している部屋から離れた玄関にそのサーバを移動した。物理的に距離を取ることで、サーバの音はほとんど聞こえなくなった。

Linuxのサーバであるから、ほとんどの操作はネットワーク越しに可能である。サーバが手元にある必要はほとんどないのだ。それをサーバとして使っている限り。

しかし、daikoku(このサーバの名前)はサーバとしてだけ使っているわけではない。なにしろぼくの持っている唯一の「まともに作動するLinux機」である。いろんなアプリケーションで遊んでみたい時もあるし、動作を確認したいこともある。サーバ的な使用時においても、実力のなさゆえ、遠隔操作ではやりえないこともある。

そういう時には、ちいさな丸椅子を持ち出して玄関先で直接操作していた。そこは薄暗くて、寒い。机もないからキーボードはひざの上だし、そのキーボードをちょっとずらして、ふとももの上でマウスをころがす。不便であることこの上ない。

だから、このたびcoregaのExtender KVMというのを購入した。コンソール延長器。小さな箱形の機械がふたつ。ひとつをマシンにつなぐ。マシンのモニタ、キーボード、マウスのコネクタとこのハコを付属のケーブルでつなぐわけだ。もうひとつのハコには実際のマウス、キーボード、モニタをつなぐ。両方のハコの間はEthernetケーブルで接続する。このケーブルは100mまでOKである。

つまり、マシンが置かれている場所と操作する場所を100m離すことができる装置なのである。

ウチの場合、玄関と仕事部屋までの距離が100mあるわけは当然ないが、それでもこれらのケーブルの延長でなんとかできる距離ではない。よしんばそれができたとしても、すくなくとも3本のケーブルが両者の間をのたくることになり、美観上もうれしいことではない。ネットワークケーブルなら、1本ですむ上、安価である。だいいち、新たに買わなくても何本も余っている。KVM自身は高価であった(標準価格35,000円、購入価格26,500円)が、思い切って試してみることにしたのだ。

設定がどう、相性がこう、コツはなになどというような類いのものじゃない。あっさりすっきり接続完了。ちゃんと映るし、きちんと動く。今、作業部屋の机の上のモニタに玄関先のマシンのデスクトップが映し出されている。

先程から、そこでデータベースのメインテナンス作業を1時間ほどしていたのだが、その間ずっと冒頭に書いたような奇妙な感覚にとらわれていた。なんか妙な操作感なんだよね。

で、ついさっき、その原因がわかった。無音なのである。まったくもって音がしないのである。無音という意味では、メインに使っているPowerBookでもあるていど同じだし、iMacでもそうなんだけど、それらにおいても作業の途中でハードディスクにアクセスしたりすれば、当然音はする。そうじゃなくってもかすかな音はないわけじゃない。しかし、このコンソール延長器ごしにさわるdaikokuは、何をどうしてもまったくの無音であるのだ。耳をこらせば、ごくわずかにモニタのどこかで発振音がするくらい。石油ストーブ(ファンヒーターにあらず)の燃焼音の方が気になるくらい。

考えてみれば、コンピュータとの長いつきあいは、終始、なんらかの機械音とのつきあいでもあった。

音がない世界でのコンピュータ操作。そういうことを体験できただけでも、これはなかなかいい買い物であった。
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いただいたコメント

しな さんによるコメント
こうゆう機械、有るようで無い。
自分の場合自宅自営で、仕事が暇なときに店のPCで暇つぶしをしたい…でも古いPCだからゲームが動かない…でももう一台ハイスペックPCは買えない…てな感じで悩んでたんですよ。

この記事読んで勇気がでたよ。今度探しに行ってくる。[2005.04.12  #168]

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