6 咳
  [初出] 2005.10.11  [最終更新]  [平均面白度] 4  [投票数] 3  [コメント数] 0
なんの因果か、ここ数日夜になると激しく咳が出る。

ベッドに入ってしばらくたつと、突然、激しく咳き込む。おそらく布団で体が温まってくると出てきやがるのだと思う。少し熱っぽいようにも感じるから、たぶん風邪をひいてしまったのだろう。あまりに咳がやまないので、仕方がないからベッドから抜け出し、階下に降りる。パジャマの上にジャンバーでもひっかぶって座っていると、咳はおさまる。おそらく体が冷えてくると大丈夫なんだろう。

咳が出る直前までは熟睡している。自分の咳で起きてしまうのだ。しばらく布団の中で咳き込んだあげく、同室のものらの安眠を妨げるのもいやだし、経験的に体を冷やせば治まることもわかってきたので、おきだしてしまう。その時にはすでに十分な睡眠をとったような感じもしているからでもある。咳で起こされたんだけど、まあ、少し早めに起床するのもいいだろうって感じ。しかし、階下におりて時計を見てみると、まだベッドに就いてから2時間、3時間くらいしか経過していない。

下におりてきても、まだゴホゴホはしているんだが、ベッドでのそれに比べると、ずいぶんまし。時間がたつうちに、すっかり治まってくる。その間、当然のことながら、コンピュータの電源を入れてメールをチェックしたり、書きかけの原稿の続きのメモをとったりする。本棚から本を抜いて読み始めたりもする(読みさしの本は2階のベッドサイドにおいたままだ)。

咳が治まったら、ふたたび布団にくるまればいいんだけど、ふたたび咳き込むのがこわくて、そのままだらだら過ごしてしまう。そうこうしているうちに夜があけてくる。

結局、2、3時間しか寝ていないことになる。意識的には、そう眠くない。ただ、アタマや体のキレは極端に悪いから、睡眠は足りてないんだろうなとは思う。

こういう日々が続いている。けっこうこたえる。今夜こそお医者に行こうと毎日思う。かかりつけのお医者は昼は勤務医なので、夜しか開業していないのだ。

しかし、起きている間は咳き込むことも少ないので、ついつい忘れてしまう。午前中はぼんやりしていても、午後遅くになると、ようやくエンジンがあったまってきて、作業がはかどり始めるということも影響しているのかもしれない。

不思議なのは−−そもそもなんで夜になるとこうも咳き込まなきゃなんないんだということも不思議だが−−咳で目覚めた時に、かならずといっていいほど、熟睡感というか、もうたっぷり眠りましたよ感覚があるということだ。そうだな、予定起床時間の1時間ほど前に突発事態で起こされた時のよう。うん、もう大丈夫だという感じ。

さっきも咳で起こされてから、ぼんやりそのことを考えていた。計算してみるとここ数日の睡眠は、いつも長時間眠るぼくとしては極端に短い。でもそんなに眠くない。カラダのキレの悪さは風邪のせいかもしれない。だいたいああまで咳き込めば体力も消耗するだろう。

思うに、無意識に近いところで眠ることを怖がっているんではなかろうか。ぬくぬくとまどろむと咳が襲ってくる。それがいやだから、もう十分眠ったと自らを瞞着しているのではなかろうか。

今日こそお医者に行こう。
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