2 ヒョウタングッズ超専門店
  [初出] 2004.01.24  [最終更新]  [平均面白度] 3.82  [投票数] 17  [コメント数] 0
すでに鮮度を失った報告だけど、今年の正月旅行は滋賀県長浜にした。そこに決めた理由は特にない。滋賀県あたりでとJTBに相談したところ、たまたまそこのホテルが取れたからにすぎなかった。

行ってみてびっくりしたんだが、この街は観光に思いっきり力を入れている。そしてその成果がちゃんと出ているような印象を受けた。細部に企画力の確かさが見て取れる。

街なかもよかったし、ホテルもなかなかよかった(安かったんだけどね)。船で行った竹生島も奇妙なよさをもったところだった。けれども、今夜報告したいのは、そういうことではない。

前にも何回か書いているが、ウチでは毎年ヒョウタンを栽培している。

ウチは古い木造住宅で、南西側は道路ぎりぎりに建っており、台所の窓は直接道路に面している。今だったらおそらく建築許可が降りないんじゃないかな。ま、そういう構造であるから、西陽が台所の窓に直接ふりそそぐ。数年前にエアコンが壊れたまま、台所につづくダイニングはエアコンレスであるから、夏場は非常に暑くなる。

ちょっとでも暑さを軽減しようとはじめたのが、南西壁面にツル植物をからませる作戦だった。ただ、建物が道路に接しているため、せいぜい標準型のプランターが壁に密着して置けるだけのスペースしかないため、植物の生育は、正直言ってそういいとはいえない。

遮光のためのツル植物はいろいろ試してみたのだが、その経験の中でたどりついたの決定打がヒョウタンとヘチマであった。この両者はどちらも葉っぱが大きくて分厚い。葉っぱ同士がかさなりあって繁茂するという傾向もある。そのため、遮光率は非常に高い。その上、ヒョウタンもヘチマも結実するという付録もついてくる。

収穫したヒョウタンは、バケツに漬けて中の果肉を腐らせ、種を出す。ぼくらは清兵衛じゃないから、べつにそれを磨いたり、漆をぬったりするわけじゃない。ただ、玄関に籠をおいて、その中に雑然と積み入れていただけだ。来客の中には酔狂にもそんなヒョウタンを欲しがる人もいる。どうぞどうぞと差し上げていた。

ま、それが前提。

で、長浜の街を歩いていたら「太閤ひょうたん」というヒョウタンの専門店があった。ぼくたちがその店に入ったのは言うまでもない。

長浜は豊臣秀吉の最初の知行地であるから、いまだに秀吉(および石田三成)が表看板になっている。秀吉といえばヒョウタンであるからこのような店もあるのだろう。なおも言えば、この市の道路のそこここにあるマンホールにも多数のヒョウタンマークがデザインされている。

けっこう広い店内には、巨大なものから小さいものまで、また、金箔を張られたり漆塗りにされたり達磨の絵が描かれたりのヒョウタンから無地生成りのヒョウタンまで、多数のヒョウタンが販売されている。それだけではなく、多種多様なヒョウタングッズも売られている。

われわれが普通に見かける「観賞用としてぶら下げられたヒョウタン」は写真のような感じでひも付きになっている。

買ってきた紐&栓をつけて柿の木にぶらさげてみた



この姿にするための栓とか、ひもとかも各種売られている。栓などは3mm(30円)から22mm(840円)までとバリエーションも豊富だ。安いものであるから、もちろんいくつかは購入した。

帰宅後、自家製ヒョウタンに栓とひもをつけてみると、意外にサマになる。「こけし」とか「努力と書かれた貴石額」に似た雰囲気を醸し出してしまうのはちょっとナンだけど、それは自家製ということで、なんとかクリアできる。

さっそくヒョウタンのいくつかにこの装飾を施して、玄関および便所につりさげる。便所にヒョウタンを置くと中風よけになるという俗説があるらしい。ツマは(ぼくからすると超意外なんだけど)こういう俗説を大事にする。ぼくもまたオトナであるから、こういうのはなんでも尊重することにしている。万一「当たってる」場合もないとはいえない。何も赤目吊ってハイセキせねばならないこともない。

ともあれ、ヒモでぶらさげられたヒョウタンはなかなかナイスだ。しかし、そこで予想外のことが発生する。

ウチのヒョウタンはどれもかなり小さいので、栓も細いものを中心に購入したのだが、買った栓は細すぎた。というよりぼくが開けた穴は太すぎたんだろう。結局、ふたつだけ買った太めの栓だけを使用することができた。

つまり、栓とヒモで一人前になったヒョウタン二個と、収穫されたままで売れ残りのジャガイモみたいに籠に山積みされた多数のヒョウタンに別れてしまったのだ。

以前には何にも感じなかったのに、いざ兄弟の中のふたりだけが出世したら、他の子にも同じようになってほしいと思うのが親心である。

ツマはダメ元で太閤ひょうたんに電話注文をかけてみた。テキパキと要領のいい受け答え。「ずいぶん慣れているとみた」とは彼女の感想。

案の定、数日後に送られてきた商品にはカラーのカタログと次回の注文用の注文シートまでが同梱されていた。全国区で商売なさっている模様だ。

バイオライトの項でヤマギワのランプ直行便のことを書いたときにも言ったことだけど、ぼくはこうした「超専門店」にはクラクラとしてしまう傾向がある。

ぼくは今後一生、ヒョウタングッズのことで頭を悩ますことはなくなったのだ。

これが今年の正月旅行の最大の収穫であった。
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