2 新聞発行部数は減っているのか
  [初出] 2003.08.29  [最終更新]  [平均面白度] 4.11  [投票数] 28  [コメント数] 2
空木茜さんからメールをいただいた。
新聞をやめた理由が同じだったので、やっぱりと思いました。
紙の新聞購読者は減少しているのでしょうか?
止めても新聞への執着があり、時々駅で買いますが。
それはぼくも気になっていたことなので、調べてみた。

日本新聞協会のサイトには新聞を巡るいくつかの調査報告書がアップされている。その中の「新聞の発行部数と世帯数の推移」を見ると92年5,194万部、2002年5,320万部であるから、必ずしも減っているわけではないようだ。

しかし、1世帯あたりの部数という意味では92年1.22部/世帯が、2002年には1.09部/世帯に微減している。現在の日本は前にも書いたように世帯数がどんどん増えている。つまり世帯の平均構成人数が減少しているのだ。90年には2.99人だったものが、2000年には2.67人にまで落ちている。

少子化の影響だね、と思うのは即断であって、それ以上に単身世帯が増えているのだ。いまや単身ニッポンなのである。構成人員別世帯モデルで一番多いのが単身世帯、つづいて2人世帯なのである。ぼくが住んでいる杉並区などは半数以上が単身世帯なんだそうだ。

2000年の日本の総世帯数は4,678万世帯だが、その28%1,291万世帯が単身世帯なのだ。

新聞は、「人」単位の商品ではなく「世帯」単位の商品だ。世帯数が増えていることは、その分新聞の部数が伸びてもよさそうなものなのに、微増にとどまり、世帯当たりの部数がここ10年で1割減になっている。まるっきり誤差の範囲かもしれないが90年から0.01部単位で年々減少してきた世帯当たりの部数が、2001年1.12から2002年1.09と、1年で0.03部(つまりそれまでの3倍)減っている。

ブロードバンドの普及と新聞の減少がリンクしているかどうか、というのは、ブロードバンドが普及してからでないと、数字として現れてこない。2000年まではブロードバンドはまだまだマレな存在だった。

もしかすると、これからグンと効いてくるのかもしれない。

ぼくが新聞をやめた理由は、常時接続化した(当時の3万円/月という費用の負担は、いろんなことを「やめる」気になる金額でしょう)こともあるが、他にも理由はある。

ひとつは「ごみ」のこと。古新聞、古広告がものすごく溜まる。この処理に苦慮していた。

もうひとつは内容のこと。発泡酒が10円上がったら、「庶民の生活を直撃」みたいな見出しで報道するが、新聞代の値上げは小さい「社告」だけだもんなあ。再販制度についても再販維持の記事や社説は載るが、反対の意見はいっさい載らない。読売新聞の渡辺恒雄氏などは、新聞の再販廃止を主張している学者の意見は載せないばかりか、「凶悪で反社会的」な意見を新聞に載せないのは当然だ、とまで国会で断言している。

再販制度については、いろんな意見もあろうと思うし、ぼく自身も、単純に結論を出しにくい問題だとは思っている。しかし、いっぽうで赤目吊ってサイハンイジを叫びながら、もういっぽうで多額の景品を出して拡販したりしてるのは、いかにも不思議というか、愚弄なことだ。

そうしたいわば夜郎自大的なトコが鼻について、なんとなくやめる方向に傾斜していったんだと思う。

もし新聞の部数がブロードバンドの浸透とともに減少していくとするなら、それは何も「利便」「金額」だけのことじゃない、と思う。

新聞の再販制度については新聞や雑誌を読んでいるだけではなかなかわからないから、バランスを取るためにも、少なくともProfile of Yoshiro Miwaには目を通しておいたほうがいい。

ぼくはいま、新聞を再度とろうかと思案している。ネットだけでは面倒だし、接続費だってグンと安くなっているし。新聞が「自己言及性」を確立したら、すぐ取っちゃうんだけどな。
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いただいたコメント

白い虹 さんによるコメント
発行部数が減っているのは、記者クラブ問題が、世間に広まっているからでは。2000年には、長野県知事が記者クラブ制度を廃止。



日本の新聞は、権力の御用達機関である事は、かなり多くの人に分かってきているからじゃないかな。インターネットの普及により、このことは広く知られてきている。



そもそも、読売と朝日の1000万近い発行部数自体、異常な現象なんだ。

その大半が、定期購読によるものだということも異常。



いい例が、アメリカの全国紙USAトゥデイ、発行部数は200万程度だが、その大半が即売だよ。[2004.06.10  #58]
元記事を書いてから、少々時間がたってしまいました。
その後の発行部数の推移をまたチェックしておかねば。(いしだ)


tadashi さんによるコメント
発行部数維持の為に、部数の何%は販路を経由せず、そのまま廃棄されるケースが多いということを聞いたことがあります。これが事実だとすると発行部数自体が怪しいということになる。

若い世代(私は20代後半)なんかは新聞を定期購読していない割合は高いと思うし、どういった層が今度世代の中心になるとしたらやはり減るはずである。が減っていないとならばやはり怪しいと思いますね。[2006.05.11  #278]

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