11 戦時下の数学教科書
  [初出] 2003.12.11  [最終更新]  [平均面白度] 2.5  [投票数] 2  [コメント数] 0
ひょんなことから昭和18年の中等学校用の数学の教科書(のコピー)をいただいた。もちろん旧制の中学だから、5年制。今でいえば中学・高校の数学ということになる。1〜5巻まで揃っている。

各巻ともページ数は薄いが、内容は濃い。今の高校向けの教科書よりレベルが高いように感じる。

時節柄か、練習問題などには軍事色が濃い。「A地点ニアル時速500kmノワガ戦闘機ガ,コレヲ追撃シヨウトシテ飛上ツタ。ドノ方向ニ向カヘバ,最モ早ク追ヒツクコトガデキルカ。」などという問題が多い。

巻3に掲載されていた問題


この教科書をつらつら眺めながら感じたのは、数学を教えようという熱意だ。かなり実践的な問題がガシガシ詰め込まれている。

昭和18年といえば、まさに戦時下。戦争の遂行に数学力が必須であるのは言うまでもない。

昨今、子供たちの学力低下が云々されているわけだが、こういう教科書を見て痛感するのが、「社会の熱意」である。やはり、社会全体が「戦争に勝たなければ」という共通の、しかも強烈な目的というか意志があった。

そうだから、こういう教科書ができるし、おそらくは、子供たちの学力も伸びたのではないか、と思う。

ヤッパ、なぜ教育せねばならんのか、という、社会全体の強い意志がなければいかんのじゃないかね。カリキュラムの改訂なんかを議論するより、まず、そこんところのトコトン議論が必須であると思うのだ。
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